緑内障について2 ~治療と予防~ (寄稿)

「緑内障について2 ~治療と予防~(両国眼科クリニック 岩崎美紀院長 寄稿)」

 

緑内障の治療

さて緑内障と診断されたらどうしたらよいのでしょうか?

食物、嗜好品、運動では治療は出来ません。眼科受診をしてください。唯一の治療は眼圧を下げることです。

治療はまず、点眼薬で眼圧を下降させます。点眼薬はその効果の違いから、2から4種類も追加することがあります。

視野欠損の進行がおさえられない場合には手術で眼圧を下げることもあります。

また、緑内障の進行を抑えるためには治療を継続することがとても大切です。

 

緑内障の予防

緑内障は、早期発見が大切ですので、眼科での定期的な検査(緑内障ドック)

が一番の予防法といえます。

緑内障は眼圧測定だけでは診断がつかないので、視野検査・眼底検査などを含む総合的な医師の診察が大切です。近年ではOCT(光干渉断層計optical coherence tomography 以下OCT)検査の進歩で緑内障予備軍もわかるようになりました。

 

緑内障の検査 緑内障ドック

検査内容は屈折・視力・眼底カメラ・点眼麻酔下眼圧検査、自動視野検査、OCT検査です。

眼底カメラ:   視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)とよばれる、神経が集まっているところの陥凹(かんおう)が拡大していないか?視神経乳頭縁に出血がないか?を観察します。

視野検査:      視野全体の見えないところや感度の低下しているところを調べます。
見えないところが広がることは視野が狭くなるということです。
中心まで視野欠損がおよぶと視力が下がります。

眼圧検査;      目に空気をあてたり、点眼麻酔をして機械をあてて測定します。
正常範囲は10-21mmHgです。緑内障の治療は眼圧を下げることです。個人の眼圧を基準に25%位下げられると進行を遅くすることができます。

OCT検査:     最近は多くの眼科施設で実施できるようになってきました。網膜神経線維層の厚みがわかり、緑内障初期では一部の網膜が薄くなり、その変化を検出することができるようになりました。

緑内障の早期では自覚症状がありませんので、いかに早く発見するかが重要です。そのためには通常から目の変化に気を配ることが大切です。

眼鏡作製時、視力検査で、いつもより近視が進んでいないか?、いつものようにきちんと視力がでているか?、

自分の過去のデータのある所で定期的にチェックすることで、早期の異常が見つかることがあります。

まず検査に行くことをおすすめします。

定期的な検査で早期発見・診断できれば、緑内障は怖い病気ではありません。

両国眼科クリニック 院長 岩崎美紀 寄稿

J1003U1N-349/2020-3-15

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